冠婚葬祭

2018/01/23

家族のための終活。遺言書って、いつどうやって作ればいいの?

家族のための終活-クレセンス

万が一の事態で、ご家族に最後の言葉も遺せないまま永遠のお別れとなってしまう—— 想像したくないことですが、人生には何が起こるか分かりません。
遺されるご家族にできるだけ負担をかけないように、そして家族が安心して暮らすことができるよう、元気なうちに終活の一つとして遺言書について学んでおきましょう。
今回は遺言書作り方についてご説明いたします。

遺言書を作成する必要性が高い人とは?

遺言書を作成する必要性が高い人

遺言書は、遺されたご家族がどのような資産を相続するのかを把握し、円満に分割するために有効なものです。相続人同士が争わなくて済むよう、終活として遺言書を遺しておきたいのは、次のような方々です。
 
1.お子さまがいないご夫婦
お子さまがいないご夫婦の夫か妻が亡くなったときに、遺言書がないと、全財産が配偶者に相続されるのではなく、亡くなった方の親や兄弟にも相続する権利が生まれます。どなたにどんな財産を引き継いでもらいたいか、遺言書で明確にしましょう。
 
2.家業の後継者を明らかにしたい方
家業や家業に必要な財産を誰に継いでもらいたいかももちろんですが、家業を継がない相続人にどのように財産を分配するのかを遺言書で指定するようにしましょう。
 
3.不動産(自宅や土地など)が遺産のほとんどを占める方
不動産は簡単に分割できないため、相続人がきちんと“誰に”“何を”遺すかを決めておくことをおすすめします。ご自宅を継ぐ方とそれ以外の相続人の争いが少なくて済むように、健在のうちに配慮しておきましょう。
 
4.ご家族以外の方に財産を譲りたい方
寄附をしたい団体がある、内縁関係の方がいる、前妻の子どもに相続をさせたいといった事情があるなら、遺言書を作成してその旨を明らかにしましょう。
 
5.相続人の中に行方不明の方がいる方
相続が起こったとき、相続される財産はいったん相続人全員の共有財産とみなされます。行方不明で連絡がとれない相続人がいると、遺産分割を進めることができなくなるため、相続人の負担になってしまいます。
身近な相続人の負担を軽減するためにも、例えば行方不明の相続人には財産が渡らないように遺言書で指定するなどの方法をとることが望ましいでしょう。
 

遺言書を活かすために知っておきたいこと

遺言書について知っておくべき知恵
 
遺言書について知っておくべき知恵をご紹介します。  
 

知っておきたい知識 ① 遺言書を作れる人とは?

遺言の作成は「15歳以上の意思能力を有する者」なら、どなたでもできます。耳の聞こえない人、口がきけない人も、公証役場では手話通訳や筆談、閲覧を利用して遺言の作成ができます。字が書けない人は、自筆することが要件となっている自筆証書遺言は残せませんが、公正証書遺言なら作成することができます。
日本公証人連合会が発表した「平成28年の遺言公正証書作成件数について」によると、平成28年には105,350件の公正証書遺言作成があり、5年前の平成23年には78,754件、9年前の平成19年には74,160件であったことから、公正証書遺言の作成件数が増えていることが分かります。
ただし、認知症などの理由で「意思能力がない者」と判断される人は、遺言を作成することはできません。
 

知っておきたい知識 ② 遺言には3つの種類がある

遺言書を遺すには、主として次の3つの方法があります。
 
① 公正証書遺言
遺言の内容を公証人が聞きとり、公証人が書面を作成する方法です。公正証書遺言のメリットは、内容の不備によって遺言が無効になることがないことと、原本が公証役場に保管されるため、遺言書が行方不明になったり偽造されたりする恐れがないことです。
また、相続が起こったときに家庭裁判所で検認の手続きを行う必要もないので、相続人の負担が軽減されます。
 
② 自筆証書遺言
遺言を遺したい方が自ら遺言書を作成する方法で、費用があまりかからず、証人も必要ありません。しかし、書類の不備のために遺言が無効になったり、そもそも遺言書が発見されずに終わってしまったりする恐れがあります。また、相続が起こったときには家庭裁判所での検認手続きが必要です。
 
③ 秘密証書遺言
遺言書の内容そのものは遺言を遺したい方が作成し、封印したあとに公証人と2人以上の証人に「その書類が秘密証書遺言であること」の証明をしてもらう、という方法です。どうしても遺言の中身を秘密にしておきたい場合や、ワープロなどを用いて遺言書を作成したいときに有効な方法です。
 

知っておきたい知識 ③ 遺言書の内容変更・撤回は自由

自筆証書遺言や秘密証書遺言は、その遺言書を破棄すると遺言の取り消しができます。その後、新しい遺言書を作成すれば内容を変更することも可能。
同じく公正証書遺言も変更・撤回ができます。ただし、手元の遺言書を破棄するとともに、公証役場で「前回の遺言内容を撤回する」という旨を盛り込んだ新しい遺言書を作成する必要があります。
 
遺言書の作成は、相続人が遺された財産について調査する負担をなくし、相続人同士の争いを防ぐために大切なことです。いったん作成した遺言書の撤回や新しい遺言書の作成も可能ですので、万が一の事態に備えて終活を始め、遺言書の作成を検討してみましょう。

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